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緑内障について

(この記事は2018年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



中司医師 眼科 部長 中司 美奈

 緑内障は、日本における失明原因の第1位であり、40歳以上の日本人における緑内障有病率は5.0%であるといわれているため、40歳以上の20人に1人が緑内障であるということになります。また、緑内障の有病率は、年齢とともに増加していくことが知られています。

 最近の緑内障の診断と治療の進歩は目覚しく、早期発見・早期治療によって失明という危険性を少しでも減らすことができる病気の一つです。

 では、緑内障とはどんな病気でしょうか?ガイドラインによると「視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である」と定義されています。つまり、緑内障は、視神経と視野(見える範囲)が障害される疾患であり、眼圧(眼の硬さ)を下げることで治療を行います。眼圧を下げるために、まず点眼治療を行います。点眼治療の他に、レーザー治療や手術もあり、患者さんの病態や病期に応じて様々な治療を組み合わせ、症状の進行を抑え、患者さんが生涯不自由なく生活できることを目標に治療を行います。

 ・緑内障による視野狭窄のイメージ
緑内障


 緑内障は、視野欠損が進行する病気ですが、両眼で見ているために初期の視野欠損を自分で発見することが難しく、自覚症状が出てくる時には、病気がかなり進行しています。初期に緑内障を発見するためには、眼科で検査を行うしか方法がありません。40歳を過ぎたら、定期的に眼科で検診を受けるようにしましょう。



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薬剤耐性(AMR)対策 ~抗菌薬(抗生物質)が効かない 細菌が増えています~

(この記事は2018年1・2月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



 薬剤部 医薬品情報室

 抗菌薬(抗生物質、抗生剤)は多くの人々の命を救ってきました。しかし、抗菌薬が効きにくい「薬剤耐性」(AntimicrobialResistance:AMR)をもった細菌が世界的に増えており、大きな問題になっています。薬剤耐性によって世界で70万人が死亡しており、このままでは薬剤耐性による死亡者が、2050年には、現在がんで死亡している年間820万人を超える1,000万人が死亡するといわれています。


Onnee Heeaalltthh(ワンヘルス=1つの健康)・アプローチ

 人、動物、環境の中に存在する感染症などのリスクに対して、それらの衛生に関わる人々が連携し、横断的に課題の解決を図っていくものです。中でも自然界での脅威が、人間を脅かす元凶となっています。抗菌薬は医療現場のみならず、獣医療、畜水産農業などの現場でも使用されています。薬剤耐性(AMR)を持つ遺伝子が、食品や環境などを介して人へ伝播する可能性があるため、ワンヘルス・アプローチの精神に則り、AMRCRCをはじめ、関係府・省庁や各分野の民間関係団体など他分野の専門家とともに一体的な取組みを進めていく必要があります。


~私たちができること~
  ・風邪に抗菌薬は効きません
  ・処方された抗菌薬は医師の指示通り服用しましょう
  ・基本的な感染対策をしましょう
    予防がやっぱり大切手洗い・ワクチン




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尿路結石について

(この記事は2017年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


乾先生 腎臓・泌尿器科 医長
 乾 将吾

~尿路結石について~
 尿路結石とは、尿の通り道である腎臓、尿管、膀胱に沈着する結晶の石のことを指します。腎結石と尿管結石が全体の95%を占めます。ミイラの膀胱からも結石が見つかっており、大昔から人類を苦しませていた病気の一つです。基本的には無症状ですが、尿管につまることで急に激痛を来すこともあります。


尿路結石


◆疫 学 
 男性に多く、年間約1000人に1人が罹患します。また40年前の約3倍、10年前の約1.6倍と増加傾向であり、食生活や生活様式の欧米化や診断技術の向上などが原因とされています。
 男性の7人に1人、女性の15人に1人が罹患します。

◆成 分 
 カルシウム結石、感染結石、尿酸結石などが存在します。腎結石・尿管結石では男女ともにカルシウム結石が最多です。次に男性では尿酸結石、女性では感染結石となっております。

◆症 状 
 結石は存在するだけでは特に症状は認めません。尿管にはまり込むと尿の流れがせき止められ、腎臓が腫大= 水腎症を来し、痛みの原因となります。腎臓は手を後ろに回してわき腹と背骨の中間あたりの場所にあるため、その部分が痛くなります。
 腎臓は大きくなっていることにだんだん慣れてしまうため、結石が移動しなくても数日で痛みが消えることが多いとされています。

◆検 査 
 超音波検査で水腎症の確認が可能です。レントゲン検査でほとんどの結石は確認できますが、一部の結石はレントゲンにはうつりません。CT 検査ですべての結石を確認することができ、また急に腹痛を来す他の疾患の検索にも役立ちます。

◆排石促進治療 
 1cm未満の結石は自然排石が可能です。排石に最も重要なのは水分摂取であり、1日2Lほどの摂取を推奨します。1-2か月以上排石しないときや、尿路感染のあるとき、また腎機能障害を認めるときには、破砕治療へと移行します。破砕治療には体外衝撃波結石破砕術(ESWL)と手術治療があります。

◆破砕治療 
 ESWLは、結石をレントゲンで見ながら衝撃波で破砕する方法です。1回約1時間、3000-4000発ほど施行します。レントゲンにうつらない結石には施行できません。
 当院では日帰りで施行することが多く、腎臓に近い結石に関しては腎出血が懸念されますが、基本的には大きな合併症はありません。硬い結石の場合は複数回の治療が必要な場合もあります。また破砕できても再び尿管の途中でつまることもあります。
 手術治療として内視鏡治療= 経尿道的結石破砕術について説明します。内視鏡を尿道から結石まで挿入し、結石を直接見ながらレーザーで破砕します。以前は尿管結石のみが対象でしたが、近年は内視鏡の発達により腎結石に関しても治療可能です。
 膀胱に近い尿管結石の場合は腰椎麻酔(下半身麻酔)、腎臓に近い尿管結石や腎結石に関しては全身麻酔で行うことが多いです。入院期間は4-5日ほどであり、ESWL よりも破砕効果は大きいとされています。
 いずれの治療法にもメリット・デメリットがあり、患者さんの背景や適応を十分考えた上で様々な観点から治療法を相談致します。

◆再発予防 
 約半数が再発すると言われており、再発予防はとても重要です。
 再発予防の基本は水分摂取であり、食事以外に1日2L 以上の飲水が必要とされています。
 最も頻度の多いカルシウム結石ですが、中でもシュウ酸カルシウム結石が多いため、シュウ酸の摂取を減らす必要があります。食品ではたけのこ、バナナ、チョコレート、ほうれんそうなど、飲み物ではコーヒーや紅茶などがあげられます。お茶は玉露の入ったものやお煎茶などよりも、麦茶やほうじ茶などがよいとされています。
 一定量のカルシウムは逆に摂取した方がよいとされております。1日摂取量として、牛乳では大きいパック1本、豆腐だと2丁ほど必要ですが、日本人の1日摂取量はそこまで達していないのが現状です。
 尿酸結石についてです。プリン体の摂取を減らすことが重要であり、1日400mgをこえないようにする必要があります。プリン体を多く含む食品にはレバー、かつお、さんまなどがあります。特に指摘されているのがビールの摂取であり、1本あたり約30-40mgのプリン体が含まれています。

~まとめ~
 尿路結石は人口の高齢化や食文化の欧米化などから、今後も増加することが予想されます。概ね排石可能な大きさのものが多く、主に無症状ですが、知らない間に次第に増大し、場合によっては入院治療が必要になる場合もあります。
 再発予防と適切な治療法の選択が重要であり、気になる方は、一度腎臓・泌尿器科に受診してください。



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入退院支援室について

(この記事は2017年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

看護師



  入退院支援室 科長
  松山 みどり



入退院支援室

 今年6月に活動を開始した入退院支援室です。
 メンバーは看護師4名で平均年齢は?・・・
 秘密です。




 患者さんと入院前から関わり、入院治療を終えて退院後に「どこでどのような生活を送りたいか」という希望を患者さんやご家族から大切に伺い、その実現にむけてお手伝いさせて頂く部署です。他部署・外部との連携がとても重要になりますので、笑顔と誠意を忘れずに日々奮闘しております。

入退院支援室 これからの超高齢社会に必要とされる部署だと考え、医師をはじめ看護部、医療社会福祉課、リハビリテーション科等の院内の多職種や開業医の先生方、高齢サポート、居宅介護支援事業所、訪問看護ステーション等々の皆様方からご協力頂きながら充実した業務ができるように日々、努力しております。どうぞ宜しくお願い致します。




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スイッチOTC医薬品について

(この記事は2017年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)



 薬剤部 薬剤師 主任  福本 郁子


 2017年1月より、セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)が施行されました。ドラッグストアや薬局では、対象となる医薬品も含め、多くのOTC 医薬品が販売されています。


◆スイッチOTC 医薬品とは?
 OTC医薬品とは、医師の処方せんがなくても直接購入できる医薬品のことです。そのなかでも、スイッチOTC医薬品は、医療用の成分を一般用に切り替えた(=スイッチした)ものをさします。

◆有効成分について 
 現在、83種類が定められています(2017年1月13日時点)。内服薬では胃薬や解熱鎮痛薬・抗アレルギー薬、外用薬では抗真菌薬(水虫治療薬)や肩こり・腰痛の貼付剤が多くみられます。

OTC


<使用する時の注意点>

!OTC医薬品は、軽度の症状を緩和することを目的としています 
 指定された期間使用しても症状が治らない場合は、医療機関を受診してください。

!医療機関に通院している場合、処方されている医薬品と重複する可能性があります 
 有効成分の重複や似たような効果を期待する医薬品の重複で副作用が出る危険性があります。購入する時は薬剤師に相談してください。





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