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輸血

(この記事は2009年11・12月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


臨床工学検査科 吉田幸


みなさんは輸血と聞いてどんなイメージを持ちますか? 同じ血液型の血液を輸血したら良いと思っていませんか?

一般的に言われている血液型のABO式血液型とRh式血液型が適合すれば輸血できると思っていませんか? 実は血液型には何十種類もの血液型が存在します。その血液を安全に輸血するための検査について今回お話させていただきます。

当院で行っている輸血前検査

血液型検査
ABO式血液型とRh式血液型のD因子(Rh +か-)を検査します。
血液型判定の際はダブルチェックを行い誤判定を防止しています。

交差適合試験
輸血の直前に実施する検査で輸血予定の血液製剤が患者様の体内に入った場合に溶血反応などの副作用が起こらないことを確認する適合性検査です。この検査で適合する血液製剤のみを患者様に提供しています。

不規則抗体スクリーニング検査
妊娠や輸血などの免疫刺激により産生されることのある、赤血球に対する抗体の有無を調べます。また、抗体が発見された場合は適合する血液を準備し安全かつ円滑に輸血療法が行えるように事前準備します。

こうして、交差適合試験と不規則抗体スクリーニングを組み合わせることにより不適合輸血を防止し患者様に安全な輸血療法を受けていただけるよう検査を行っています。また、輸血後にも副作用がなかったかどうか確認するために2~3ヶ月後に肝機能検査、肝炎ウイルスなどの検査も行っています。このように輸血前だけでなく、輸血後にも検査を行い安全に輸血を行っています。


| Copyright 2009,11,02, Monday 09:13am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

神経伝導検査-神経障害の検査-

(この記事は2009年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


臨床工学検査科 山下奈々
 
 

手がしびれることはありませんか?

手のしびれをおこす疾患の一つに「手根管症候群」という病気があります。この病気の原因は正中神経にあります。正中神経は、頚椎から肩・肘を通り手首のあたりで手根管とよばれるトンネルを通って指先まで走っています。このトンネル内で神経が圧迫されることにより、しびれを起こします。

このしびれは「手根管症候群」の主な症状です。進行すると、しびれが痛みに変わり、「筋肉のやせ(萎縮)」・「指先の動き」が悪くなったりします。手のしびれは親指~薬指の4本にみられ、特に親指・人差し指・中指に強い症状がみられます。小指は別の神経(尺骨神経)に支配されているため、しびれません。

しびれや痛みの症状は夜間・早朝に強くなるのが特徴です。女性に多く、家事などで手を酷使すると発症してしまうこともあります。また、腎不全(長期透析)・糖尿病・リウマチ・自己免疫疾患などと関連して生じることが知られています。

手根管症候群を診断する手段として神経伝導検査という検査があります。

神経伝導検査では親指の付け根の筋肉(短母指外転筋)に電極を貼り付け、手首とひじを電気で刺激し、電極から波形を記録、電気の伝わる速さなどを測定します。測定した値と描出された波形から神経障害の有無やその程度を知ることができます。

「電気で刺激する」というと怖く思われますが、低周波マッサージのようなピリピリ程度です。人によっては少し痛く感じる場合もありますが、痛みが残ることはありません。検査にかかる時間はおよそ30 分程度です。

今回は「手根管症候群」を取り上げましたが、その他にも手だけでなく足にもしびれを起こす病気はあります。気になる方は一度、末梢神経外来(木曜・午後のみ・予約制)または整形外科外来を受診されてみてはいかがでしょうか?


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輸血療法~自己血輸血について~

(この記事は2009年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


臨床工学検査科 岡本祥克

輸血療法とは、血液中の赤血球などの細胞成分や凝固因子などの蛋白質成分が量的に減少又は機能的に低下したときに、その成分を補充することにより臨床症状の改善を図る治療です。

一般的に“輸血”というと献血された血液を使用すると考えますが、輸血には献血された血液を使用する“同種血輸血”と、御自身の血液を事前に貯血し使用する“自己血輸血”とがあります。今回は自己血輸血について述べさせていただきます。

自己血輸血は読んで字の如く、御自身の血液を貯血し輸血する治療方法であり、3~4週間前より数回に分けて血液の採取を行い手術日まで保管し、手術の際に使用いたします。

しかし自己血輸血は、すべての輸血療法に使用できるのではなく「予定される手術において輸血必要量が600~1500mlと予測され、また手術までに十分な期間がある場合」に用いられる輸血療法であります。

ここで簡単に当院での自己血採取の流れを説明させてもらいます。

採取と管理
  1. 採取当日外来受診し採血を行い、検査結果より採取が行えるか医師が判断します。
  2. 採取は看護師により消毒、穿刺を行い採取します。
  3. 臨床検査技師が採取量を確認し、抗凝固剤と血液の混和を行います。
  4. 採取後、体の補正を行うために輸液、造血ホルモン剤の注射を行います。
  5. 臨床検査技師により採取日と採取量、保管期限についての説明を患者さんへさせていただきます。
  6. 手術前日まで、お預かりした血液は専用の冷蔵庫にて保管管理いたします。手術前日に保管血液の検査を行い、手術当日使用できるように準備いたします。

輸血療法にご不明な点がありましたら、担当医までお願いします。


| Copyright 2009,07,01, Wednesday 09:25am administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

医療機器の保守管理について
-医療機器の性能と安全を縁の下で支え、人と医療機器を結ぶ-

(この記事は2009年5・6月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


臨床工学検査科 ME部門 副主任 澤田正二


今回は診療に関することのテーマの中で、最前線で活躍する医療機器の安全管理について紹介させていただきます。

私達は、臨床工学検査科の臨床工学技士の中でME部門に所属しています。MEとは医用電子-Medical Electronics-の略称で、その名の通り医療電子機器の保守管理を主業務としています。

そもそも、臨床工学技士とは何なのか?・・・簡単に言うと「病院にある医療機器を扱う仕事」をする国家資格取得者です。

病院には治療や手術などに使う医療機器がたくさんあります。特に近年、医療機器が多種多様になってきたこともあり、それら医療機器の専門家として「医師の指示のもとに、生命維持管理装置の操作および、保守点検を行うことを業とする者」と定義される臨床工学技士が誕生しました。

当院にある生命維持管理装置とは・・・①人工透析装置(腎臓の代わりを行う装置)②人工呼吸器(呼吸の代わりを行う装置)③その他の血液浄化装置(特定の病気の時に使う装置)などをいいます。

それらの生命維持管理装置の他、点滴や注射薬の持続注入に使用する輸液ポンプやシリンジポンプ。医療のドラマなどでも心臓が止まったときにカウンターショックなどの名で出てくる除細動器。手術室内の種々の装置など26品目71機種517台(2009.04.01現在)の医療機器に専任2名、兼任2名の計4名で保守管理にあたっています。

それだけの台数の医療機器の保守管理業務を行うためには、業務のシステム作りが重要となります。

医療機器の保守管理
元来、当科に於いては人工透析関連装置の保守管理に30余年の実績があります。その間も現在も保守管理の在り方は常に進化しており、その内容は全国でもトップレベルにあると自負しております。その管理方法を応用する形で、その他の医療機器の保守・管理に携わっています。

具体的には、自作ソフトでのコンピューター管理による定期的なメンテナンスと点検を行い、医療機器の性能を維持するのは当然として、医療機器の使われている状況や、それに関わる環境を毎週、病棟などに足を運び確認しています。その際に発見した注意点などを関連部署に通達したり、勉強会を開催するなど安全レベルの向上に努めています。

「医療機器の性能と安全を縁の下で支え、人と医療機器を結ぶ」-その思いで私達は働いています。

| Copyright 2009,04,27, Monday 07:41pm administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

LDLコレステロールについて

(この記事は2009年3・4月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)


臨床工学検査科 副主任 松田英樹


コレステロールについて

 皆さんは、コレステロールをご存じでしょうか。

 コレステロールは脂質の一種です。生命維持に必要な役割を果たす物質で、以下の働きがあります。

・男性ホルモン、女性ホルモンを作る材料となる
・細胞を包む膜(細胞膜)を作る
・栄養分の分解吸収をする

 コレステロールは食べ物からも摂り入れられますが、必要量の約7~8割が肝臓で作られ、食べた量に合わせて血中コレステロールが一定に保つよう調整されています。このコレステロールを肝臓から身体の細胞に運ぶものをLDL(悪玉コレステロール)といいます。悪玉といいますがコレステロールを体内へ運ぶ大切な仕事をしています。ただし、活性酸素によって酸化された悪玉コレステロールが要注意で、それが血管の壁にくっついて、内壁をどんどん硬く厚くし、狭くしていくのです。これが動脈硬化です。


閉塞性動脈硬化症(ASO)とは

 動脈硬化が進むと、動脈の血管は硬くなったり狭くなったりします。

 特に、足での動脈硬化が進み、足の血管が狭くなったりふさがったりすると、血液の流れが悪くなって、足の先の方まで栄養や酸素を十分に送る事が出来なくなってしまいます。足が冷たい、しびれる、ふくらはぎの筋肉がつる、痛むなどの症状が出てきます。

 このような症状を閉塞性動脈硬化症(以下ASO)といいます。症状の出現部位は腰の部分から足先までありますが、最も多く出現する部位はふくらはぎです。この部位にASOが起きると、足先にチアノーゼ(血液の酸素濃度が低くなり皮膚が紫色になること)・潰瘍が起きやすくなり、最悪の場合、壊死するケースがあります。

 ASOの治療は、症状の進行状況に応じて薬物療法や外科的治療が用いられますが、薬物療法で十分な効果が得られず、外科的治療が難しい場合には、動脈硬化の原因の一つとされる血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)などを除去する目的でLDL-アフェレーシス療法を行います。


LDL-アフェレーシス療法とは

 「アフェレーシス」とは、患者さまの血液中の不必要な成分を取り除いて、きれいにした血液を再び患者さんに戻すことです。

 LDL-アフェレーシス療法は、専用の機械を用いて体から血液を取り出し、吸着器でLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を取り除きます。きれいになった血液はすべて体に戻されます。治療時間は、症例によりますが約3時間程度で、治療効果を診るために動脈硬化検査や採血等も行います。LDL-アフェレーシス専用機器

 ASOの患者さまで、なおかつ一定の条件を満たす場合にLDL-アフェレーシス療法が保険適応となりますが、治療期間は3ヶ月間で10回までとなります。

 当科では、医師の指示のもとに、LDL-アフェレーシス療法の準備・設定・治療・管理を行っております。

| Copyright 2009,03,02, Monday 04:32pm administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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