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『京の里山 丹波紀行』 -写真展示に癒されて-

(この記事は2010年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

本館3階 科長 三宅 加代美


 西陣病院では、平成19年から一部の病棟で本院の患者さまでもあった、福井章二さん・千鶴子さん夫妻のご厚意で写真を展示してまいりした。写真は患者さま、ご家族、病院スタッフにも好評のため、今年の4月からは、『京の里山 丹波紀行』をテーマに院内の各階2点ずつ計25 点の写真を展示しています。
展示写真
 写真には、かやぶき民家や棚田、草花、桜や鯉のぼりなど季節を感じる京都市北部の風景が写っています。病棟では、入院中の患者さまが歩行訓練の合間に足を止めて眺められたり、面会の方と一緒に写真を見て話をされる姿を良く見かけます。

 入院されている患者さまは、病気になり気が滅入っていたり、入院期間が長くなり外の景色にふれられずストレスが溜まっている患者さまも多いです。病院という非日常な空間では、田舎の風景や草花などの写真は心が和み癒されます。

 看護スタッフも地方出身者が多く、患者さまと一緒に足を止め写真を見たり、夜勤の合間のふとした時に写真をながめ、遠い田舎の風景や家族を思い懐かしく感じています。

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インフルエンザワクチンのはなし

(この記事は2010年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤科 主任 森本 卓志


 この西陣病院だよりが発行される頃は、まだまだ残暑きびしい日が続いている事と思います。インフルエンザワクチンの話は、少し季節的に早い?ような気がしますが、実はインフルエンザワクチンの事は年中どこかしこで話題となっているのです。この原稿を書いている7月にこの冬に使用されるインフルエンザワクチンの内容が決定しました。(例年は5~6月頃に決定しています)

☞ ワクチンはいつからある?

 インフルエンザワクチンは1943年にT・フランシスというアメリカ人によって開発され、日本では1948年頃から接種が開始されているようです。

☞ ワクチンの中身は?

 毎冬流行に大きくかかわるインフルエンザの型にはAソ連型、A香港型、B型の3種類があり、ここ何年もこの3種類に対するワクチン(季節型インフルエンザワクチン)が使用されてきました。しかし、昨年は新型インフルエンザが流行したため、余分に新型用のワクチンを接種した方も大勢いたことと思います。今年の冬に使用するワクチンは従来の季節型ワクチンの中に新型用のワクチンが入っているため(新型、A香港型、B型の3種類が入っています)、1回の接種で済むようになっています。

☞ ワクチンの中身は誰が決める?

 世界的にはWHOの専門家会議で選定され、それを受け国立感染症センター等の専門家が前年の流行状況などをみて最終的に決められます。

☞ ワクチンの効果は?

 ワクチンを接種すれば、インフルエンザにかからないといった誤解がありますが、ワクチンはあくまでも「かかりにくくする」「かかっても重症化を防ぐ」為のものです。成人では、45%の発病を防ぎ、80%の死亡を防ぐという報告があります。

☞ ワクチンの副作用は?

 ワクチンの副作用は、接種した部位の腫れや赤み、熱がでたり全身がだるくなったり(ワクチン接種によってインフルエンザになったわけではありません)といった症状が比較的多くみられます。また、アレルギー反応や、因果関係がはっきりしていませんがその他重い副作用があります。

☞ 今年のワクチン接種は?

 今年も西陣病院ではインフルエンザワクチン接種の実施を予定しています。しかし現段階では、接種開始日や方法など未定となっています。詳細が決まり次第、お知らせする予定となっています。

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ピロリ菌と私達の関係は?

(この記事は2010年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

曽我先生 内科 医長 曽我 幸一


 ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)は、「ピロリ菌」としてよく紹介されていますので、一度はこの名前をお聞きになったことがあるのではないでしょうか? 1982年にウォーレンとマーシャルが人の胃からの培養に成功し、翌年発表された細菌です。それまでは、胃内は酸性環境で細菌が生育しにくいという「常識」があったため、当初はなかなか理解が得られなかったようですが、現在ではピロリ菌と言えば、誰もが知っている菌になりました。

 ピロリ菌は大きさが3〜4μm程度ですが、片側に数本の細長い鞭毛を持ち、これを素早く回転させることで胃粘膜表面を自在に動き回ることができます。 また、ピロリ菌はウレアーゼという酵素を持っているため、尿素を分解し、アンモニアを生成する能力があります。これによりピロリ菌は胃酸を中和し、菌体自身を守ることができます。

 ピロリ菌の感染原因を個々に同定するのは困難ですが、口から入って胃に定着するというルートが定説です。排泄される便や胃からの嘔吐物などが直接・間接に他人の口に入り、感染が成立すると言われています。感染率は衛生環境と相関があり、欧米では低く、東南アジアなどで感染率が高いようです。現在、日本ではその中間くらいで、幼少期の衛生状況に大きく影響を受けるため、感染率は若年者では低く、50歳以上で高いと考えられています。

 ピロリ菌が関連する疾患としては、胃・十二指腸潰瘍、胃癌、慢性胃炎などがあります。また、ピロリ菌感染と血小板減少症や慢性じんましんなどの意外な疾患での関連や、冠動脈硬化もピロリ菌感染者の方が起こしやすいことが指摘されています。このように、ピロリ菌感染から生じるさまざまな影響は、胃の病気にとどまらず、時には全身的な影響を引き起こすことが知られており、各分野で研究が進んでいるところです。

 自分の体でのピロリ菌の存在を確認するために、大きく分けて内視鏡を使う検査と使わない検査があります。内視鏡を使う検査として、内視鏡で組織の小片を取り、直接的にピロリ菌の存在を確認する培養法、組織鏡検法、迅速ウレアーゼテストなどがあります。現在は速くて、簡単で精度も高い迅速ウレアーゼテストが検査の中心となっています。

 また、内視鏡を行わずに間接的にピロリ菌を証明する検査として、検査薬を飲んだ後に呼気を集めて分析する尿素呼気試験や、採血で抗体価を調べる方法や便中抗原法などがあります。

 ピロリ菌への治療は、一般的には抗生剤と胃薬を使用した除菌治療が行われています。潰瘍を繰り返す方がピロリ菌除菌治療に成功すると、潰瘍が再発しにくくなることが知られています。 また除菌することで胃癌発症リスクが軽減し、一部の胃ポリープも除菌治療で消退することが知られています。

 日本ヘリコバクター学会はすべてのピロリ菌感染者の除菌を行うことを強く勧めていますが、残念ながら、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌内視鏡治療後の方に限って除菌療法に対して保険適応が認められており、その他の方に検査、除菌を行った場合は自己負担になるのが現状です。

 では、このようにさまざまな影響を及ぼしているピロリ菌に対して、どのように対応すればいいのでしょうか? 私たちは、まずは内視鏡検査(胃カメラ)を受けて頂くことをお勧めしております。当院では条件がそろえば、鎮静剤を使用した胃カメラを行うこともできますので、以前苦しかった方も一度検診のつもりで受けて頂くことをお勧めいたします。胃カメラは胃の病気だけではなく、食道、十二指腸の病気も確認することができます。ピロリ菌だけでなく、胃腸のことでも気になることがあれば、気軽に当院で御相談ください。

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慢性腎臓病(CKD)外来が始まります

(この記事は2010年9・10月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

腎臓・泌尿器科  奥原 紀子


 慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)という言葉を聞いたことがありますか? 慢性腎臓病とは自覚症状のないまま腎臓の機能がだんだん低下していく病気です。心筋梗塞や脳梗塞や糖尿病といった病気ほど知名度は高くないのですが、実は慢性腎臓病は多くの方にとって無縁ではない病気です。軽度のものも含めると約2000万人が慢性腎臓病をもっているというデータもあるくらいです。

 慢性腎臓病は進行すると末期腎不全となり、腎臓の機能がほとんどなくなってしまいます。そうすると体はむくみ、息は苦しくなり、だるさや食欲不振などの尿毒症がおこり、ついには血液透析なしでは生きられなくなってしまいます。現在日本には約27万人の透析患者さんがいて、さらに毎年1万人ずつふえています。国民の500人に1人は透析を受けていることになりますし、高齢者に限っていうならこの確率はもっと高くなります。また、慢性腎臓病があると脳梗塞や心筋梗塞といった心血管系の病気になる危険性が3倍も高くなることもわかってきました。

 近年慢性腎臓病の進行を抑える方法がわかってきたことから、「慢性腎臓病を早期に発見し治療をする」ための取り組みが日本中で始まっており、当院でも慢性腎臓病外来を始めることになりました。

 慢性腎臓病の診断は尿検査や血液検査で行います(尿蛋白陽性などの所見や採血で概算する糸球体濾過量(GFR)というものをみて診断します)。進行するまで、自覚症状はないことがほとんどです。治療法は、慢性腎臓病の原因やその進行度によってもかわってきますが、まず大切なのは生活習慣の改善やしっかりとした血圧の管理です。特別な点滴をしたり、長期間の入院加療の必要がある人はごく少数です。その代わり、じっくり気長に治療をしていくことがとても大切になります。このため、当院では「医療連携パス」というシステムを採用しています。この「医療連携パス」とは、慢性腎臓病のかたを普段の「かかりつけの医師」と「慢性腎臓病外来の医師」の二人体制で連携をとりながら治療していくものです。慢性腎臓病の治療は血圧の薬を飲むなど、かかりつけですでに開始されている治療と同じ部分も多くあります。連携をとることで処方がだぶってしまったりする危険がなくなりますし、慢性腎臓病外来に何度も通わなくても、ふだんはかかりつけ医にみてもらうことができます。塩分制限などの食事療法をしているつもりでも実際には達成できていなかった方は、当院で栄養士から詳しい栄養指導をうけていただいくことが可能です。

 現在かかりつけの医師がある方で慢性腎臓病の可能性がある方は、当院の慢性腎臓病外来を紹介受診していただければ効率よく診断・治療を行うことができます。また、現在かかりつけ医はないけれども、慢性腎臓病のことが心配な方もぜひお気軽にご相談ください。

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「かかりつけ薬局」を活用してますか?

(この記事は2010年7・8月号の西陣病院広報誌『西陣病院だより』に掲載したものです)

薬剤科 主任 牛島 麻紀

 かりつけ薬局とは、薬に関するあらゆる相談に応じ、情報提供してくれる保険薬局のことです。
 「かかりつけ薬局」を持つメリットは何でしょうか。

1  薬の重複、飲み合わせによる副作用を未然に防げる

 医療機関を受診すると、医師から薬の「処方箋」を渡されます。このとき医師は、自分が処方した薬の処方内容はわかっていても、他の病院、他の医師が処方している(かもしれない)薬については、患者さん自身が「お薬手帳」などを見せない限り知ることができません。
 また、患者さんが「こういう薬を飲んでいます。」と伝えても、自分の専門外の病気の薬については、あまり詳しくなかったりします。
 しかし「かかりつけ薬局」を一軒決めておけば、薬剤師が患者さんごとに「薬歴管理」をしてくれるので、複数の医療機関にかかっていても、同じ成分を含んだ薬がダブって処方されていないか、飲合わせによる副作用の心配はないかをチェックしてくれます。それにより、薬による事故を未然に防ぐことができます。

2  薬についての詳しい説明が受けられる

 「以前、こういう薬を飲んでこんな症状が出たことがあるのだが、今回の薬は大丈夫か?」「眠くならないタイプの薬を希望したが、その通り処方されているか?」など、病院で処方された薬に関する「ちょっと心配なこと」は意外に多いもの。医師に聞きそびれた疑問も、かかりつけ薬局で気軽に質問できれば安心です。
 かかりつけ薬局では「処方薬」だけでなく、市販薬との飲み合わせや普段服用している健康食品、サプリメント類などとの飲み合わせについても、相談にのってくれます。
 「風邪気味のため、このあと市販の風邪薬を飲みたい。処方薬と一緒に服用しても問題ないか?」「先生には言わなかったけど、数日前からサプリメントを飲んでいる。薬の効き目に影響はあるか?」など、気になることがあれば遠慮なく質問してみましょう。

3  ジェネリック医薬品(後発医薬品)への切り替え相談も

 処方薬がジェネリック医薬品に変更可能な場合、かかりつけ薬局で相談することができます。ただし、同じ成分の医薬品であっても病名によって変更できないこともあるので、気軽に相談してみましょう。

 医療機関を受診されるときは、お薬手帳も忘れずに持参してくださいね。

| Copyright 2010,06,29, Tuesday 07:02pm administrator | comments (x) | trackback (x) |

 

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